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員の年金、農民年金、および労働者年金等も考慮に入れなければならない。今のところ、賛成する人が多いのは、個人を対象とする社会保険制で、満25歳からこの国民基礎年金保険に強制的に加入、給付は65歳からで、現存する年金制度は付加年金として上乗せするというものである。
2)無料(あるいは割引した)の高齢者急性、慢性病医療と看護の提供
高齢者が一番心配することは、病気にかかった時、誰がその高い医療費を支払ってくれるかということである。もちろん医療の施設が無ければ、医療費の心配もいらないが、台湾の医療施設は、もうある程度普及している。ただし、慢性病の医療と看護の施設が足りない。行政院衛生署もこの点を認識し、その建設に努めている。慢性病患者の看護はやはり、政府が負担すべきで、慢性病医療介護のシステムを早く完成し、65歳以上の患者の費用は、全部国民健康保険で負担すべきだと思う。
3)家庭と共同生活体(Community)を中心とした高齢者の介護システムの創設
台湾の高齢者は、家や住み慣れた環境を離れたくないという思いが強烈で、環境は良いが人里離れた所にある施設は歓迎されない。それゆえ、現在の在宅ケア、昼間のケア、栄養食提供、重病患者の看護、老人アパートの建設や老人住宅の改善、地域老人活動センター等のサービスを、もっと体系的に組織して、一つの制度をつくり、広い範囲に実施すれば、高齢者も喜び、その生活がもっと豊かで、楽しくなると思う。
4)高齢者が社会に貢献することを奨励する
将来、人口年齢構造の変化によって、生産年齢人口が比較的少なくなり、労働力の不足を来すと思う。それで、高齢者のマンパワーを如何に活用するかという課題が、重要になってくる。現在、行政院労工委員会(労働省)が始めている「中高齢者の就業を促進する処置」を広く実施し、内政部も1996年5月に立てた「祥和計画」(ボランティアの結合によって社会福祉を広める計画)に基づいて、高齢者に呼びかけボランティアとして社会に奉仕する観念を確立し、その訓練と奨

 

 

 

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